……さて、ここが正念場、だな。
史書より抹消されし天の英霊とその血脈を継し者、として。
やれるだけ、やってやろうじゃねーか。
[一人、儀式の間に残ったその口元に浮かぶのは不敵な笑み。
遥か、古の戦いにおいて、四大の勇者と共に戦った者──天聖の勇者。
彼の存在は、とある事情により全ての記録から抹消されている。
その血脈を秘かに受け継ぐヴェルトラオム家の当主として、そして、輪転を繰り返す天の英霊を宿す者として。
何より、この世界に生きる者の一人として全力を尽くす、という意志を言葉に変えた後。
神官長は長棍を構え、静かに力を高め始める。*]