─ 『天聖の間』 ───…兄ちゃん。俺も、忘れてたことがあったんだ。兄ちゃんとの約束を、そのまま叶えられないってことが、悲しくて、悔しくて。それ以外にも、俺じゃどうしようも出来ない事が、あったから。…だから、一番大事なことを、忘れてた。[言いながら、腰紐を2本共しゅるり、解いて。纏めて掴む右の手首には、焔を閉じ込めた氷の様な煌きと、この部屋全体を纏うと同じ輝き]