[扉を開ける、と床に横たわるユーリエの顔に掛けられた布を見、身体を強張らせる。容態が良くないとは思っていた、が、朝まで保たないとまでは思っていなかったのだ。]中尉殿、これは…[死因はやはり、昨晩の傷であるのか。2泊で2名の死者。]…公知は如何いたしましょうか。[判断に口を出すは僭越、しかしユーリエの状態は既に昨晩、民間人の何人もが目にしている。口さがない彼らの事だ、もう知れ渡っていると考えておかしくない。傷害からの死が理由であるなら、敢えて伏せると返って邪推を呼ぶにしかならないかと。]