[そういえば、花についても多く語ったが、覚えたての花言葉についても喋ったような記憶も蘇ってきた。
花言葉図鑑なるものを、持ってきて見せたりしたっけな。
目の前のローを見ながら、そんなことも思い出す。
変な規則……とバッサリすっぱり言い切るローに、変わっていないなぁと、吹き出して。]
あはは、私もそう思う。
けど……まぁ、一応軍属だからねー、
破れないのよ困ったことにね。
……。
それに、長らく船から降りてないから、
ちょっと……勇気がいるしね。
[くすくすと笑いながらそう告げる。
事情を察してか、あまり深く問われることがなかったことに、安堵の表情を浮かべる。
けれども、こんな状況だ。万が一のことを考えて伝えておいた方がいいだろうか?と一瞬そんな考えが頭をよぎった。
しかし、それはほんの一瞬の甘え。
信頼と言えば聞こえがいいが、自分が楽になりたいだけの甘え。
思慮深い彼であれば、口外はしないだろう。
言葉通り、戦うための力も持っているとも思う。
……ただ、彼の兄のことを考慮すれば、……結局そのストッパーを外すことは出来なかった。]