― 八幡 甲板 ―[居合いの一撃は殻と殻の境目を捉えたものの、いまいち効果は薄いようだった]!!ここも密に重なっているか![一閃を振り抜いた手に硬い感触が返る。斬りよりは突きか、などと思考を巡らせながら、円を描くように引き戻した刀で振り下ろされるハサミを受け止めた]海老如きに……遅れなど取るものか![受け止めの体勢から受け流しの形へと転じ、巨大海老のハサミを横へと落とす。それにより巨大海老が僅かに体勢を崩し、攻撃に転ずるに足る隙が生まれた]