人狼物語−薔薇の下国

525 ルー・ガルー戦記 11 〜カーマルグ半島帰属戦〜


王国軍部隊長 セルウィン

 ――兄のおこぼれで家を継いだなんて、それこそ恥だ。
 俺は実力で、自分の地位を手に入れてみせる。
 そのためにずっと、兵役を見据えた訓練を積んできたんだ。

[両親が何か言いたそうにこちらを見ている。
 励ましのための方便が、いつしか息子の目標そのものになっていたことに、今気付いたのかもしれない。
 戸惑う様子の両親を余所に、兄は杖を突きながら数歩前に出た。
 そして右手を、セルウィンへ差し出す]

『好きに生きればいいさ。
 でもまずは、兵役を無事に終えてから、だろ?
 兵役からの出世以外にだって、道はある』

(22) 2019/11/01(Fri) 23:05:35

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