…あの。[早々に、無言の作業が居たたまれなくなり、思わず口を開く。言葉をかけることは、許されるだろうか、と、ほんの僅か、躊躇を見せ。問題が無さそうだと判断すれば、今度は躊躇いなく、言葉を続ける。] 貴方の事は、何とお呼びすれば。[尋ねたのは、その名ではない。己に求められる、呼称。意識してか否か、既にこの赤の人が己を従える人なのであろう、と認識しているようで。順応が早い、と評されることもあるが、長く軍属を続けてきた身では、ごく自然なことのつもりでいた。*]