[薔薇の庭園でのティーパーティー。バタートーストの蝶が舞い、白い薔薇をトランプ兵が黒く塗り潰す。マッドハッターは弁舌にモズクが宇宙の中心に繋がっていると陽気に語れば、少女はくすくす、チュシャキャットはケタケタと共に笑う。] あら?[魔力《ちから》ある声に少女は首を傾げると紅茶のお替わりを持った白兎が怪訝な顔でこちらを窺う。] ん。うさちゃん、出掛けてくるわね。[名指しで自分を呼んでいる。そう直感した。漆黒の翼を広げ、闇色の空に舞う。抜け駆けして出現しようとしている悪魔共を容易く屠ると、何食わぬ顔で声の元へと――]