…いいや。相変わらず足癖が悪いことで。[わざとらしくにやつく顔に、にこやかな皮肉を返し。視線を合わせる間もなく、窓の外へと戻ってしまった隣――炉の後頭部を何気なしに眺める。窓の外を流れていく景色。硝子越しに差し込む光に、透ける髪。華やかな金色に眩しさを覚えて目を細めたその口元に、笑みが浮かぶ。]