― 王都陥落の日:玉座の間 ―[奪還、と言えよう。茜に染まる白亜の都、その頂に座すは魔の軍勢を率いる赤髪の王。一族の悲願が成就した瞬間に、恍惚の表情を浮かべたのも束の間。] ……御意に。 忌まわしき彼の者の血、一滴残らず駆除致すとしましょう。[言葉が終えるやいなや、背後に控えていた配下の数名が城内に散る。隠し扉や隠し部屋、隠し通路に至るまで。城内に余すところなく暗殺術に長けたダークエルフの追っ手が王家者へと放たれた。*]