まったく。
[軍に所属しているため、船員が傷付くのは仕方のないこと。
そうとわかってはいても、軍人である前に医者である彼は、皆にもっと自分の命を大切にしてほしいと思った。]
国民がいなければ、国として成り立たないのですから。
[その国民を守る者がいなければならない、という言い分もわかるが。
本国に戻ると聞いた時は傷付く者を見ずに済むと思い、素直に嬉しかった。だが、それも一瞬のことだと気付くと憂いを帯びずにいられなかった。
また、すぐに出港することになるのだろう。]
いつになったら戦争は終わりますかね……。
[窓の外で煌めく波を見つめながら、小さく呟いた。**]