[ばかだと言われたことに、ぎゅうっと胸の奥が締め付けられる。
いつの間にか、自分にも移ってしまった口癖が、酷く懐かしい……。
その言葉は目覚めぬ自分に、スノウちゃんが言ってくれた言葉。>>7:65
フローレンスの言葉となって、自分に降り注ぐ。
それは死ぬ直前に見せた、都合の良い夢だったのかもしれないけれど。
"許された"
そんな気がして……。
気付けば、ポロリと一粒の涙。]
……ごめん、……ありがと……。
[思わずまた謝って、一拍置いてから言葉を発した。
それは酷く掠れた、頼りない声であったが、きっと彼女には届いただろう。
ただの一人の少女でいられる瞬間。
軍の人間でも、実験体でも、なんでもなく……。
カサンドラとして、いられる瞬間。
抱き着いてわんわんと泣いた。]