[その間柄は、余人には理解できない、するべきではない、ものだったろうけれど。
――自分が二度と手にすることが赦されないそれへの、
決して羨望ではなく……一方的な、遠く微かな好感のようなものが、なかったといえば嘘になる。
真正面から、目を合わせようと。
淡い光の双眸は、その危うげな言葉とは裏腹に、揺らぎが薄く、どこか奇妙に薙いで見えた。
ぞくり、と、背筋に寒気が走り、青年は動きを止める。
困惑げな――けれど、この状況の中異様に平静にも見える表情が、此方に、そしてトールの姿がそこにあったならば、彼に、向けられて。>>17]