[――ふるりと、首を振る。 自嘲するように、苦い笑みを浮かべた](馬鹿馬鹿しい)[事態は茶番に移行したとはいえ、これから、敵軍との総力戦なのだ。 他所事は命取りになると、内心に呟く。 彼が居れば、己は弱くなる。 目的を、せねばならない事を忘れてしまう。 自分は、悟ったのではなかったか。 『エルンスト・ヒンメル』では駄目なのだ。 誰も救えない。戦えない。 ――屍を踏み越えることすら、出来ない]