―3日目・PM6:00・救護室―
僕は気にしないよ。
傷があってもなくても、見た目がちょっと違うってだけでさ。
でも、人間はそういうの気にするって聞いたから。
[ぱちん、と指を鳴らして相手>>11にかけていた魔法を解くと、傷に対して思うことがあればという言葉には首を横に振った。
醜いから、嫌なことを思い出すからと傷を消したがる人間を何度か見たから提案してはみたが、彼が気にしていないのであれば消す理由はない。ただ、自分らしくもなく、少し気遣ってみただけのこと。
そっと相手から一歩離れて服を着るのを待ちながら、悪戯っぽい笑みを浮かべると話題を変えて]
ちゃんと僕の名前、覚えてたんだね。
さっき呼ぼうとして止めてたから、忘れちゃったのかと思った。