[ 新元首が主宰した宴の席で。
バルタとの一件の後、一度、中座したときに、間仕切りの緞帳にしがみつくようにして様子を伺っている若い兵を見つけた。
聞き耳を立てている様子であった。
スパイか、と思いもしたが、それにしてはどことなく無用心である。
むしろ、好きな役者の出待ちをしているような初々しさがあった。
「もっといい場所に連れて行ってあげようか?」
からかうように声をかけると、飛び上がって驚いていた。
その慌てぶりが面白くて、ゼファーにもこんな子がいるんだなあと思ったりした。]
もしかしたら、元首殿の隠し子とかだったかもしれないな。
[ 勝手な妄想をしておいた。*]