……っ、悪い。
お前を責める意図はないのに、こんなこと訴えんのはなんか、変だ。
偶々お前と当たっただけだ。分かってる。
それに。わざわざお前が俺に言いに来たってことは、
お前にとっても、あいつはあいつだった、ってこと だろ…?
[「大事な友人」と、ベリアンに向けてカレルをそう称しても素直な同意が得られる気がしなかったから、敢えてどうとでも取れる言い方をした。
或いはただの自分の願望かもしれない。
友人が同じ想いであると思いたいというだけの。
みっともなく涙が出たのをがしがしと袖で拭いていたら、
ゆるりと手が離され、わしわしと髪をかき回される。]