[ その際、 行き過ぎる彼>>3:267と行き会っただろうか。 白い服に赤い片が散っていたとすれば 眉を顰めもするけれど、 声が届くものならば一言だけ。 それ以上は引き留めずに見送った。 ] ――――――…[ 正門の方で騒々しく 誰ぞの声が聞こえた>>10のはその時だったか。 振り返るまでもなく、わかる。 今の非常時に息せき切って駆け付ける者。 …けれど。 出迎えに――否、様子を見にも行かず 宮廷画家は一人で玉座の間へと。 ]