― 川 ―[は、と大きく息を吐き、それから、ぐるりと周囲を見回す。先に手からすり抜けた『龍爪』は、離れた所に突き立っていた。『紅雷』は未だ手に提げたまま、ややふらつく足取りでそちらに向かい、拾い上げた所で、痛みを堪える限界が来た] ……ってぇ……。[低く呻いて、その場に片膝をつく] ぁー……これ、怒られるなあ……。[ぽつ、と落ちた呟きは、無意識の物で。誰に、という部分はぼんやり、かすんでいた。*]