――貨物室―
[ローの近付く気配や
肩に伸ばされかけた手には気づけないまま。
名を呼ばれれば>>12、
びくりと華奢な肩を竦めてから、はっと振り仰ぐ]
ロ、ロウ…。はい、“人狼”の爪痕、だと思います。
何度も、見たことがあるから……。
[鼻をつく鮮血の匂いに満ちた部屋では、
ローの肌に残る同じそれに気づけるはずもなく。
アデルを襲った本人だなとどは思いもよらず、
寧ろ、ローの顔を見て、ほっとした表情を浮かべて、うなずく。
何度も人狼の爪痕を見たことがあるということが、
どういうことか、悟られてしまう可能性になど、
気を払う余裕のないまま。]