[飼い主がタクマとの話に興じている間に、黒もふは別の人物へと近づいていた。聖性を象徴する服に身を包んだもの。先ほどから、こちらに意識を向けているもの>>10彼から少し離れたところ──具体的には相手が並の人間であるならばひと跳びで近づいて攻撃できる距離よりも少し遠い場所、に腰を下ろす。風の匂いを嗅ぐように首を伸ばし鼻を鳴らし、アルビンの顔を見上げてにこやかに笑う。 笑った。 ]