人狼物語−薔薇の下国

283 少人数で人狼BBS人狼騒動RP村3 ― 白銀の村 ―


パン屋 オットー

 それならば、絶えることのない、噴水の如き理想を持つということは、更には、その一つ一つが生存欲にすら匹敵するものであるとするのならば、それは一体どのようなことを意味するのだろうか。これは何も、想像上で存在を仮定する話ではない。“彼女”がまさに“それ”だったのだ。
 幸とも不幸とも捉えられる、決して満たされることのない憧憬は、彼女の中を蹂躙し、蔓衍していた。時には渇きという名の鎖で彼女の心を縛り付け、またある時は解けど解けど強く絡み付き、またある時はその感情を渇望へと固めて抑え込む。それはどれほど空虚なことだろうか。噴水の如く溢れる願いには、その実留まるものは何もなく、永遠に稼働し続けることを強いられる。それは何とも報われないことだろうか。望みが叶えば報われず、叶わなければ溢れる望みに潰される。それが彼女だった。彼女は人狼だったから異常なのではなく、異常な上に人狼だった。ともすれば、人狼であることが些細なことだと感じてしまうほどに。]

(21) 2014/12/16(Tue) 20:47:34

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