人狼物語−薔薇の下国

389 ルー・ガルー戦記 8 〜海峡攻防戦〜


帝国扶翼官 ルートヴィヒ

― 翠の記憶 ―

[まだ7つか8つの頃だった。
父の船に乗せられて、いろいろなところを回っていた。

ある日、寄港した国で父と共に大きな屋敷へ行った。
「父さんは大事な話があるから」と屋敷の使用人に預けられ連れられて行った中庭に、彼女がいた。


  小川みたいにきらきらと光る翠の長い髪と、
  お月さまより真ん丸で綺麗な金の目。
  柔らかな頬も細い指先もほんのりと桜色で、
  小鳥みたいにころころと良く通る声で歌っていた。


その女の子に近づくのが怖くて、
ひょっとしたら、妖精みたいに消えるんじゃないかと心配で、
しばらく中庭の入り口で見ていた。
そうしたら、彼女がくるりと振り返ったんだ。]

(21) 2015/11/06(Fri) 11:03:15

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