─ 回想/2年前 ─
[少年少女と出逢ったのは男が長男の乗馬訓練を行っている時だった。
シラーから森の手前まで走り、再び戻って来る予定だったのだが、不意の出来事により長男が乗る馬が暴走。
そのまま森へと迷い込んでしまったのだ。
広大な森を闇雲に走られてしまったなら探すのも困難、と。
急ぎ追いかけ男も森へと入った]
ロヴィン! どこだ!!
[声を張り上げ探し、陽も暮れようとしていたその時、泣きそうな長男の声が返ってきた。
聞こえた方へと馬を走らせると、そこには男の姿を見て泣き出す長男と、色味の対照的なよく似た男女が居た。
馬も落ち着いた様子で彼らの傍に佇んでいる]