[求め>>7に応じ、一歩踏み出す。躊躇いなく近づくと、寮の腕を持ち上げ、絡む髪へと指先を伸ばす。しかし、決して慎重に恵まれたわけでもない己の身では、頭一つ背の高い相手の頭近くへ手を伸ばすというのも、できなくはないがいささか困難で。つま先に力を籠め、背伸びをしてみようとするが、踏ん張りに欠ける己の脚では、どうしてもよろめいてしまうだろう。諦め、伸ばした手の先で、丁寧に髪房を解き始めるが、少し時間がかかるかもしれなかった。]