[そういえば今朝は、配達を頼んでいる牛乳屋が来なかった。島の外に避難したのだろうとすぐ察する。小さな島は、嵐の被害にあいやすい。だから本格的に天災に巻き込まれる前に、自主的に避難する島民も多かった。以前は嵐の度に一緒に避難することを求められたが、]『俺がいなくなったら、妹が寂しがる。あいつは嵐が苦手だから。』[そう言って拒絶しているうちに、相手も諦めたのか、やがて声はかからなくなった。**]