[手紙を書く度に、男は思うのだ。
祖国は繁栄していたが、文明は他所より遅れていた。
きっと、だから負けたのだ。だからきっと、国を追われたのだ。
二度と戻れないか、と言われればそうでもない。
きっと、決定的な何かがあれば、戻れる。××××る。
風の内戦が起こった今、それがまだ続いているうちに王国側を捻じ伏せなくてはならない。そうしたら、きっと祖国に戻れるはずだ。祖国×××××に。]
―――帰るよ、きっと。
[ゲームが完成してから、何度目かわからないクリア画面を見ながら、ボソリと呟く。きっと帰るよ。]