[同じ地を踏めども、吹き込むのは異なる風だ。]
懐かしいか、ベルフィ。
あれからどのくらい経ったのだろうな。
[こうなると気になるのは、あの東屋一つのみだった。
そこだけ寄ったなら、そのままこの国を立とうと考えたのは、一体何の因果だっただろう。
その遠くに、懐かしい姿を見たのだ。>>9
さぁ…─── 、 と、あの時と同じ風が抜けていった気がした。]
元気そう、とは…言えないか。
[気の早い白雪が肩を離れたのを見ながら、空いた片腕を挙げた。]
───… ウェル、
[多少張った声は、届くだろうか。
届かずとも側まで行く心積もりではあるが。]*