[やがて、男が意識を取り戻せば、まずは安堵に息をつき。
向けられたぼんやりとした眼差しに――次いで投げかけられた、“その言葉”に。>>16
驚愕の余り目を見開いた。]
――どう、し……
[堪えきれず、泣き方を忘れた顔が、痛ましさに歪む。]
何、言って……
あれは、あんたの……
[肩に手をかけ、力任せに揺さぶる。
友人だろう。
それも、深く、親しい。
傍で見ていた青年にも、この事態の中、二人のこれまでの様子は、強い信頼と繋がりを感じさせ――いや、それ以前から、どこか似た者同士にも、見えていた。>>0:258]