―エピローグ―[黄金の花が咲いていた。見渡す限りを埋め尽くす黄金色の風景。その中に、二人の娘がいた。娘たちは姉妹なのだろう。揃いの蜂蜜色の髪を風に靡かせながら踊っている。手を取り合い、とても幸せそうに。そんな娘たちを、もう去ってしまったはずの人たちが見ていた。憎しみも悲しみも嘘だったかのように、皆、穏やかに笑っている。けれど、この風景は全て嘘。リゼットが眠りのうちに見る、都合の良い幻だ]