ー第二エリア通路ー
[もう…助けられない……と、告げられた声に、ユルユルと頭を左右に振る。>>5
そんなことない…だって、ついさっきまで……。
まだ温かい体温が、諦める選択肢を選ばせてくれない。
しかし、なおも心臓マッサージを続けようとする手に、カークの手が重なって……。
カークを見上げると、痛みを堪えるような悲しい顔が目に入る。
その顔を見た途端、……悟った。
一気に目頭が熱くなり、涙が止まらない。]
……助け、ら、れない……って。
[血の気を失って青白くなっているであろうエレの顔を、震える手で撫でる。
フラリと座り込んでしまった自分の横で、カークがライトでその身を照らした。>>10]