[レトにとっては、その日の投票は絶望でしかなかった。救いたい。この命を使うのならば、彼らのどちらかに。そう思っていた二人が選ばれた。そして今は、あの力はレトの中にはない。かけられた毛布の中。ぼんやりと開いていた虚ろな瞳を、ゆっくりと閉じ] ……おやすみ[やがて、焼却炉の扉が開かれる]