[例え、それによって不本意に縛りつけられ、不当に命を奪われかけたのだとしても。
音楽は、彼にとっては何よりも身近にあり、そして、何よりも温かい繋がりをより強くしてくれたものだった。
だから、全てを捨て去っても、完全に切り離す事はできず。
ヒトとしての在り方を捨ててもなお──拠り所たるその曲だけは奏者の内に残されていた]
[そうして、唯一残された歌、そこに込められた想いと。
幼い頃からずっと抱えていた孤独と。
それらが、無意識、求めたもの。
それが、自ら『種』を与えし同胞を他よりも気遣う理由とは、当の奏者も未だ、気付く事はなく。**]