[真っ直ぐに飛ぶ一矢を、鎖で下から上へ弾く。
軌道を読むのは容易いが、意志の籠る一撃は重く、反動で鎖は勢いを失い体は下へ下がる。
その位置を狙ったかのように、僅かに下方を狙う二の矢]
この……っ!
[撓んだ鎖を強引に引き下ろすも、矢を打ち落とすには至らず、右脇腹から斜め下へ掠める衝撃と共にじわりと熱が滲んだ。
力を放出し切った直後であり、立て直しも不十分な所に、三の矢が構えられる>>16]
撃たせるか!
[狙い定めるその隙を突くように、ローレルの顔へ向け鋭き先端を持つ鎌を放る。
当てて傷つけることよりも、怯ませることでほんの僅かでも矢の狙いを逸らせればと。
同時に蟷螂自身は撃たれた際の防御も顧みず、鎖の分銅側を手にローレルへの接近を試みる*]