[剣を引き抜こうとした手は、そのまま止まる。彼女の眦から零れ落ちるものを目にして。重さのままに彼女の身体は剣からずるりと落ち、赤い帯を宙に残しながら倒れる。その唇が動くのを、確かに見た。] …ぁ……。[喉は干上がり、身体は石のように固まる。音と視界が、すっと遠くへ引いていった。]