― 地下2階 ―
[こぷん。
こぽぽぽ…。
瘴気を吐き続ける塊は、不気味な音を立てて醜い身体を揺らす。
規則正しい呼吸のリズム。
そこにノイズが混じると、エレオノーレはクッと喉を鳴らして来訪者―――カークへ、妖しげな紫色を向けた。
彼から迸る怒りは漂う瘴気をも消し去りそうな程に燃え盛っているが、それに動じる事なく、微笑んだまま言葉をかける。]
…やぁ。
随分遅かったね。
でも無事に此処まで辿りついてくれて良かったよ。
怪我はない?心配していたんだよ、オニイチャン。
いや、勇者サマ。と、呼ぶべきかな?
[笑いを堪えきれない、といった様子で口元を隠すと楽しげに肩を揺らした。]