― 平原南 ―[陣の一角にあって、自らも敵兵の槍をさばき、時には相手の槍を奪って使い捨てに突き返したりもする。その間も、戦況に目と耳を澄ませていた。北西に現れた敵の新手が、北側で隊列を組んでいる。挟撃の構えとみて、凶暴に笑った。] 直属隊、用意![剣を掲げ、号令を発する。復唱の声が次々と連なり、陣全体がある種の緊張感に包まれる。]