―昼→夕方―
[また頭を整理したくて、再び外に出る。一人でいたマレンマが大丈夫なら、一人でいようが複数といようが危険は変わらないだろう。まだ太陽も出ている。
誰かがついてきたのなら共に出掛けただろう。
いつかの沢に足を向ければ、まだ濁りがあった。けれど、もうすぐ清流へと戻るだろう。自分の心と対照的なそれが何だかおかしい。前と同じように沢に足を浸して笛を取り出す。
今は、狼は誰だろう、とかは考えない。
ただ、レトへ、生きているならローゼンハイムとゲルトへとこの調べが届くように。
必ず助けるとの決意を込めて。*]