― 過去 ―
あら、そうだったの……
ローね。
ふふ、私はカサンドラ。
[閉じ込められているというのに、強気な、そして聞きようによっては口説き文句のような言い回し>>1に、少し笑いながら、名を名乗る。
今は君しか見えないんだ……という言葉通り、彼の姿は窓からしか見えない。
花屋をやってる人かと問われれば、頷いた。]
ええ、そうよ。
……そうね、私は小さな花が好きなの。
スミレとか、キキョウソウとか、ノヂシャとかね。
どこにでも生える花だから、
花屋には並ばない花なんだけど……。
[そこまで言って言葉を切った。
道端で、いわば雑草と言われる星もある……実際、自分のいた星では食料であったわけだし。
花について語りはじめると、どうも口が滑らかである。]