人狼物語−薔薇の下国

502 温室世界の住人たち


作家志望 クララ

『さっき、近所のやつがいきなり眠っちまって、いくら声掛けても目を覚まさなかったんだ。
 とりあえず医者の所に任せてきたが、もしかしたら……』

[その証言に触発されたように、似たような出来事の噂が飛び交い始め、その場の花精たちの顔には一様に不安が浮かんだ。
 貼り紙の真正面にいた赤髪の花精も、例外ではなく]

 そ、そんなこと……。
 本当に、起こってるの?

[信じたくない気持ちが強いけれど、末尾のサインは街の長のもので間違いないらしかった。
 噂でざわつくその場を抜け出すように、人ごみを擦り抜けると宛てもなく駆け出した*]

(20) 2018/06/20(Wed) 22:20:29

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