―サロン―[血が満たされたグラスをそっとテーブルに置いた。仕掛けてきた者と遣り合う事になるかもしれない。そんな状況なのだから滋養をとり備えるべきと分かっている。正餐の主賓であるアプサラスへと向き直り] ――お部屋までご案内します。[意思だけでも伝えておこうと声を掛けるが見物するというなら強く言う心算はない。護り手のようにあるシメオンの姿もその視界に入っていた。]