[宇宙船の絵と今日の日付が記されたメダリオンは、頼めば名前の刻印もしてくれる。曾孫の名前を入れてもらっている間、講釈師の話を聞くとはなしに聞いていた。
途中聞こえた乗組員の「天使憑き」の異名を聞きとがめたが、ちょうど刻印が終わったところで、意識が逸れてしまう。
メダリオンを懐に入れて歩き出したところで、講釈師にチップを渡している男に目が留まった。]
はて。どこかで、
[見覚えがある顔だ、と思ったが思い出せない。
年は取りたくないものだ、とも思うが、あるいは知り合いの血縁者かとも思えて、少しの間じっと顔を見つめてしまった。]*