─ 街中・広場 ─
駒鳥よ 小さな友よ
おまえの歌を みつけておくれ
おまえの声を 届けておくれ
大地の果てに 咲く花を
黄昏沈む 海の色を
空の向こうの 煌めきを
いつか わたしに 聞かせておくれ
[爪弾く弦を最後にたっぷり響かせたのち、顔を上げ恭しく一礼する。
柔らかい拍手。足を止め耳を傾けるもの、道すがら興味深々で視線を向けるもの。皆一様に穏やかで概ね好意的だ。
王城のサロン、オペラハウス、パブの片隅も舞台としては悪くはない。が、こうして澄んだ空の下で気ままに歌うのがいっとう好きだった。 ]