[出掛けるときには面倒だが支給品の制服を羽織る。
面倒だと何度も主張したのだが、頭の固いお偉方は規則だからの一点張りで主張を曲げないのだ。
仕方なしに自分が折れた。
その胸元には、階級を表すバッジが付いているのだが特に意にも介さず。
自称花屋の癖に、随分と高い階級であるのは、見るものが見れば分かるだろう。
一応籍は軍にある……いや、軍にしかないと言った方が正しいか。
そのくせ、仕事はなにもないのだから笑ってしまう。]
(……モルモットの経過観察、それが正しい表現よね。)
[その待遇に不満がある訳ではない。
それ以外の選択肢はなかったし、すでに引き返せないところまで来ているのだから。
それに、草花は好きだ。
好きなときに好きなだけ土を弄り、花を切り、薬を作って生きる。
だから、不満はないのだ。
……そう、言い聞かせる。]
……あー、本当にお腹すいたわ。
[色んな感情を飲み込んで、呟いた言葉。
向かった先はレストラン。
さてさて、何を食べようかな。**]