―廊下―
[1冊の本を大事そうに抱えながら、小柄な少女が歩いている]
あとはこの本をー、地下書庫にしまったら休憩!
[司書として働きだしてまだ「若手」の部類に入るからか、専ら翻訳や修復の終わった本を書架に戻す仕事をこなす毎日。
単調な日々ではあるが、それでも、本の位置を覚えるにはちょうどいい、と前向きに捉えていた]
あぁ、でも…地下書庫あんまり行かないから、
少し中見て回ろうかな。
[そんなことを呟きながら地下へとのんびり足を進める。
途中、見知った顔を見つけたなら笑顔で挨拶くらいは交わしただろうか。]