― 庭園>>7 ―
[ふくらむ嫌な妄想を、ためいきで追い出そうとしても、うまくいきません。
かたく閉ざしたつぼみに指でふれていると、聞き覚えのある声がかかりました。
「おにいちゃん」……いいえ、アルビン神父さまです。
こんなわたしも小さな時はそりゃあおてんばで、
オットーと一緒に構ってもらいに行ったり、血のつながりも無いのに兄呼ばわりしましたけれど、
今は分別があります。]
ご機嫌うるわしく。
神父さま、まで、こんなことに巻き込まれてしまって。
[うるわしくだなんて挨拶は、今はただの嫌みかしら。
神父さまの思わしくない表情に、気を悪くさせてしまったかとヒヤヒヤしつつも、
聖職者ですら人狼と疑われるのかしらんと、村長に非難のまなざしをやってしまいそう。
村長がここにいなくてよかったです。]
神父さまは、人狼がいると思いますか?
飢えた獣じゃなくて、人狼が……?