――回想――[輜重兵――需品科。 後方支援である筈のこの部隊が、 最前線と結果的になってしまったのは戦線の混乱とはいえ。 逃げ損ねた理由はなんだっただろうか。 たしか、ほんの僅か後に入隊した後輩に、 逃走用の最後の馬を譲ったことだったはず――…] は、離せです……![>>18憶えたばかりの敵国の言葉。 口汚く罵るには足りない語彙に、それでも大声を上げる。 伸し掛かる身体が酷く重たくて大きくて、 思わず上げた悲鳴が口を掌で塞がれる原因となった]