− 月さす断崖 −[「話すっていうならぁ、聞いてあげる」 自分の不手際で死なせた少女の母親は、はるばる不毛の地まで追いかけてきて、そう言ったのだった。] ──…、[けれど、ベリアンは結局、語ることも責任を取ることも選ばなかった。 吹きすさぶ風に流れる群雲が月の光を覆い隠した瞬間、ベリアンは身を翻して逃げ、崖から夜の海へと飛び込んだのだった。]