「ホートン砦で、魔物に止めを刺したらしいの。
壁画の邪神の使いの魔物にそっくりだったって。邪悪な知恵の守護者の……でも、アイツにトドメを刺したら、アードも倒れてしまったって。
司祭様も来たけれど、眠りについているだけで、異常はないっていっているけれど……もう3日も……」
――伝承の呪いと同じか。
……あぁ、だから。アードの症状については皆口が重いのだな。
[穏やかに対象を死に至らしめる邪神の呪い。
相手が死んでしまっているが故に、術者に解除を希うことはできず。少なくともより高位の術者が早々に解除せねばならない。問題は、あまりにも緩やかに穏やかに死に至るが故に、「呪われている」ことすらそもそも気付かないことが多く、手遅れになってしまうということだった。]