[薄暗い明りの中、血塗れの白衣――いつ血が付いたかも、彼の血かダーフィトの血なのかも知らずにいる>>10――の胸が、呼吸で動くのを見とめれば。
下がりかけた全身の血が、辛うじて回り始める。
ダーフィトを襲ったのが“人狼”であることは間違いない。それがハダリーなのか、何者なのか――思考はそこまで思い至ることはなく]
おい!
確りしろ、くたばったんじゃねえだろうな!?
[揺さぶって起きるならそれで良し、起きないなら無理にでも――ああ、いや、まずは医務室に――
混乱する思考で、それでも取りあえずは、肩に手を当て揺り起こそうと。]